OHの2番と5番の呼び分け バレーボール
概要
バレーボールのポジションの話。
OHの2番と5番の呼び分けについて。
※2019/11/17 加筆修正しました
S1の話も、その内書きたい...
目次
ざっくりまとめ
- OH = アウトサイドヒッター
- OHの対角2人を呼び分けることがある
- バックオーダーのS1で、2番(ポジション2)にくるOHをbig passer、5番(ポジション5)にくるOHをsmall passerと呼ぶ
- big passerを守備型OH、small passerを攻撃型OHと呼ぶ場合もある
- 呼称の通り、役割が違う
- 理由は、後衛にいる数、センターでレセプションを行う数、2枚レセプションへの参加
- ただ、今(2019年)では役割の違いはとても薄くなっている
役に立つこと
実戦: ポジションを決める時に役立ちます
観戦: チームがそのプレイヤーにどんな役割を期待しているか、知る手掛かりになります
前提
- 男子の国際大会トップレベルを基準にします
- バックオーダーで考えます
OHの2番と5番の呼び分けとは?
OH(アウトサイドヒッター)を、ローテーションの制約による役割の違いから、呼び分けることがあります。
2番をbig passer/守備型OH、5番をsmall passer/攻撃型OHと呼びます。
2番/5番は、バックオーダーでS1ローテーションの際のコートポジションです。
理由は、後衛にいる数、センターでレセプションを行う数、2枚レセプションに参加するかどうかです。
呼び分けの理由は?
1.後衛にいる数
セットの最初のローテーションは、S1/S6であることが多いです。
その場合、2番OHはポジション2or1から始まるので、後衛が多くなります。
何でS1/S6スタート?
セッターがポジション1から始まることで、セッター後衛=前衛アタッカー3枚の状況を多く作りたいという意図があります。
ただ、
- OPがレセプション免除される等によって、常時攻撃に参加するのが当たり前になったこと
- リードブロックへの対抗策としてのシンクロ攻撃のために、後衛OHの攻撃参加が強く求められ当たり前になったこと
などから、2番OHと5番OHの呼び分けに関する有用性は、今では当時に比べて薄くなっています。
何でいつでもS1スタートじゃなくて、S6スタートすることがあるの?
OHのサーブを多くしたいからです。
サーブが強いセッターもいますが、一般的にはOHの方が強いので。
なので、そのセットがレセプション局面スタートならS1、ディグ局面スタートならS6で始めることが多いです。
第1,3セット、第2,4セットでセット最初のローテーションが一致してたりするのも、これが理由ですね。
2.センターでレセプションに入る数
2番OHはS4/S5、5番OHはS2の場合に、センターでレセプションに入ります。
2番OHが2回、5番OHが1回入るわけですね。
ただ、OHはセンターでレセプションに入りたくないので、そこに2番と5番の違いが出てきます
何でセンターでレセプションに入りたくない?
OHがセンターでレセプションに入ると、困ることがいくつかあります。
- センターでレセプションに入るプレイヤーの守備範囲は、サイドに比べて広くなりがちなので、OHに負荷がかかる
- アタッカーには、レセプションするより、スパイクの助走に入ってほしい
- リベロがサイドにいるため、逆サイドのOHをカバーできない
- OH同士の間にサーブを打たれると、2枚とも潰されて/遅らされてしまう場合がある
だから、OHはセンターでレセプションに入りたくないんですね。
しかし、ルール上の制約なので、どうしてもこのレセプション隊形になるローテーションは発生してしまいます。
※レセプションに入るプレイヤーを変える選択肢もありますが、一般的でないため省略
そのため、レセプションの上手いプレイヤーが、2番OHに入ることにメリットが発生します。
(余談: S4/S5のレセプション隊形って、初心者泣かせだなと改めて。最初、イメージしづらいよね)
2番OHがセンターでレセプションに入る場合(S4/S5)
5番OHがセンターでレセプションに入る場合(S2)
3.2枚レセプション
2枚レセプションの場合、2番OHとリベロでレセプションを行うことが多いです。
ここも、2番OHと5番OHの違いですね。
2枚レセプションって?
レセプションは、両OHとリベロの3人で行うことが多いです。
が、相手のフローターサーブに対して、2番OHとリベロでの2人で行う隊形がトレンドになった時期がありました。
そうなると、2番OHは常にレセプションに参加するが、5番OHは参加しない場合が生まれます。
というわけで、2番OHと5番OHには、レセプションへの参加に大きな違いがありました。
なので、big passer/small passerの呼び分けが、とても有用だったんですね。
(アメリカとブラジルのイメージが特に強いよね。)
今はどうなん?
現在、2枚レセプションはあまり多く用いられません。
理由としては、
- サーブの強化
- リードブロックに対する攻撃参加人数(数的優位)の重要性
等が言われています。
そのため、2番OHと5番OHの呼び分けに関する有用性は、今では当時に比べて薄くなっています。
まとめ
というわけで、2番OH/5番OHをbig passer/small passerとして認識するのは、 「ベースとしては間違っていないが、今ではその差がとっても薄くなっている」というのが現状です。
ただ、プレイヤーレベル/戦術レベルに大きく左右されるので、皆さんが好きなチームやカテゴリに当てはめてみてください。
ここまで挙げた要素等の多少によって、そのチームの2番OH/5番OHの役割に違いがあるかないのか、見えてくるかもしれません。
最後に
ご質問やリクエスト、異論/反論などぜひぜひお気軽にお寄せください(^^)